4回目もダメー
情けなくて何も書けない。
海岸で会う人はみんなヒスイを持っていてどこで拾ったのかと聞くと「この先で」と言う。
同じところを見て探しているのに何で自分だけ見つけられないのか。
悔しいがセンスがないのかも知れない。
学芸員の言葉が思い出される。
「5回目くらいから見つけられるが感の悪い人は10回来ても拾えない」と言うことはヒスイを持っている人はみんな5回以上来ている人達で自分は感が悪いから見つからないと理解すべきなのかも知れない。
私は子供の頃からみんなが1回でできることを3回も4回もやらなければできなかった。
不器用は自他共に認めている。
頭も悪いので理解も遅い。
何をやるにも他人より時間がかかる。
それがヒスイ探しにも当てはまるとなると力が入らなくなる。
しかしヒスイ探しをここで諦めるとこの先も何もできないだろう。
私の場合先はそんなに長くはない「俺達に明日はない」のだから。
もう一度学芸員の言葉を思い出してみた。
石は乾いてからが勝負 ヒスイには艶がある 白色ばかりではない 全部がヒスイではなく他の鉱物が混ざったりしているのもある 角があって面があって 市販のものでも偽物がある しかしこれが分かっても見つからないのだ。
実際に探しているとどれもヒスイに見えてくるのである。
勝手にこんなヒスイがあるかも知れないと思えるから不思議だ。
だから1時間に10個でも20個でも拾える。
1日やればバケツいっぱいで持てなくなる。
これがいけないのだと思う。
どうしても目を養うしかない。
学芸員の目になれれば見つかるはずだ。
学芸員がルーペで何をみているか知りたい。
翡翠の結晶を見ているのだろうがそれが分からない。
やはり全集中の呼吸ができるように訓練するしかない。