ユーレイルパスの有効期限は2ヶ月だったが旅行日程は特になかった。
ストックホルムからだからとりあえず南下した。
昼間帯は観光地を廻ることにした。
とは言っても当時日本ではまだ海外旅行はメジャーではなく世界遺産もなかったので行き先を判断するには小生の頼りない知識しかなかった。
それはドイツはビールにソーセージ、スイスはアルプスと時計、フランスはエッフェル塔とデュポンのライター、イギリスはビートルズとダンヒルのライター、スペインはフラメンコと「アルハンブラの思い出」、イタリアはマフィアと「ローマの休日」と言った程度だった。
そこでもっぱら旅行中に出会った日本人から得た情報を基に行き先を決めた。
今でこそどこへ行っても中国人や韓国人だらけだが当時は東洋人らしき人は日本人だった。
だからすぐ分かるのでお互い声をかけ情報交換をした。
旅をしているといろいろな奴がいて「一輪車で世界一周している」とか「アフリカでマラリアに2回かかった」とか「象の肉を食べた」とか「サハラ砂漠を横断した」という強者などに出会う。
それらの人から「あそこは行ったほうがいいよ」等と聞くとではそこへ行ってみようかと行き先を決めた。