旅をしているといろいろな人に出会うものである。
スイスからイタリアのミラノに着いたところで「日本人ですか」と声をかけられ食事に誘われた。
それまでの自分の食事は最低金額で買えるもので済ませていたしそもそもレストランなどに入れる格好ではないしお金もないので困惑したが食事代は出してくれると言う。
その人が言うには日本のビジネスマンで2ヶ月日本語を話していないので日本語を話したかったということだった。
「えっ!ただそれだけ」と思いながらも店で食事ができるのであればと卑しい気持ちが強く働きまた日本語なら話せるしそれでその人が喜んでくれるならと思い誘われるままレストランに入りステーキをご馳走になった。
更にそのビジネスマンは「これからスイスに行くのだが一緒に来ないか」「時間があるのならしばらく一緒にいないか」と言ってきた。
この誘いに少し心が動いた。
この人と一緒なら美味しいものが食べられるし駅などに野宿しないで済むかもしれない。
スイスから来たばかりでもっと南下するつもりでいたのだが日程は特になかったので問題はないのだが少し心配があった。
世の中にはいろいろな人がいるからということ。
渡航を決めてからこちらにはそういう人が多いと聞いていたのである程度覚悟はしていたがやはり心配だった。
結局せっかくの誘いを断って別れたがステーキはラッキーだった。