モロッコを抜け出したものの寝袋を諦めなければならなかった。
これは大きな痛手で１０月とは言え夜は寝袋がないと寒い。
寝床は列車内か駅構内だ。
ユーレイルパスは２等客席だから車内に入るとなるべく人がいない席をさがして横になり休むようにしていた。
しかしいつも車内に居られるとは限らないのでその時は駅構内で休むようにしていた。
その時寝袋がないとゆっくり休めない。
こんな生活をしていてマドマドリードに着いた時発熱して公園のベンチで寝ていた。
気がつくと日付が変わっていて簡易宿泊所のようなところで１日以上眠っていた。
この間の記憶ははっきりしないがその宿に泊まっていた人達に助けられたらしい。
数カ月後帰国してから健康診断で医師から「結核になって治っているがどんな生活をしていたか」と聞かれた。
