石屋さんから耳寄りの情報を得た
姫川に重機が入っている
石屋のご主人がデカイのを上げてきた
これは行くっきゃないっしょ
捜索開始後1時間も経たなかった
直感 いたーっ
泥だらけ
持ち上げることはできる
泥を落とさないとよく分からない
少し離れたところに水たまりがあったのでそこで泥を落とすことにした
水は少なかったので水はすぐ濁ってしまうがハンターさんが近づいて来た
「遠目いい感じだね」
「どうでしょうか」
「うーん 分かんないね」
でも見つけた時から直感 上げると決めていた
泥は落としきれない
泥だらけのまま何とかリュックに入れた
しかしこのリュック 既にチャックが壊れている
何度もこうした場面で活躍しているからもうボロボロなのだ
それでも頑張ってもらうしかない
抱えたままではとても歩けない
そのまま下からでは背負えないのでリュックを一旦少し大きな石の上に乗せた
その状態で腕を通して「せーの」で立つ
その後はチャックが壊れていていつ開くか分からないので少し前かがみになり手で支え石の安定を保つ
道程は障害物のないなるべく平坦でかつ最短距離を選んで歩いた
さっきのハンターさんが「腰に気をつけなよ」と声を掛けてくれた
歩きだしたらもう何も考えない
歌が流れただけ
「戦う者の歌が聴こえるか 鼓動が あのドラムと響き合えば」
厳しい歩きには「民衆の歌」がいい
曲に歩調を合わせるのだ
こうしてなんとか車まで運んだ
下ろすのも一苦労だった
車で休んでいた妻は「うーん 分かんないねー」
こうした大きな石は鑑定に出せない
しかしヒスイでなかったらすぐ戻さないと車が重くてしようがない
そこでこれまでも何度か見て貰っている石屋さんを訪ねた
鑑別開始 時間を掛けて見ている
今までもヒスイでない時の判定は早い
するとこれは当たりか?
「おめでとうございます 結晶もあるし間違いない」
「本当ですか やったー ありがとうございます」
いいモノではないけどヒスイだ
翌日情報をくれた石屋さんにも見せに行ってお礼をした
店にはお客さんがいたけど一緒にライトを当てたりして確認をしてくれた
そして「よく洗ったら写真を撮って見せて」と言ってくれた