半世紀前、北海道を旅した
旅行の日程は、家に帰る日は決めていたが、その間の行程は何も決めていなかった
寝床は、夜になったところで、野宿した
摩周湖の展望台で暗くなり、そこで泊まることにした
暗くなると誰もいなくなった
一人で寝床の準備をして、眠りに就こうとしたところ、ガサガサ音がした
「出た」熊だ
確認したいが、動くと見つかる
少し待ってから、寝袋から顔だけ出して、音がする方を見た
すると誰もいないと思っていたが、人がいた
その人が、ゴミ箱をあさっていたのだ
翌朝、摩周湖はきれいに湖面まで見ることができた
がすぐに霧が出始め、湖を隠してしまった
下から上がって来た人が「3日間通っているが、摩周湖は見えない」と言った
霧のない摩周湖を見るには、野宿するしかない